オーストラリアに着く前の飛行機での話(前編)
1人で飛行機に乗るのは初めてだったので、文字通り何もかも、分からなかった。
シドニー行きの便は外国人ばかりで、何を喋っているか分からない環境。すでに、日本の空港の時点でそうなっていた。
けどその時、怖いという感情は恐ろしいほどなく、ただ
「この未知の世界に飛び込んでみたい」という一心だった。
そして初めての長時間フライト。
飛行機用の首につける枕やら足を乗せるクッションやらをおもむろに取り出し、使ってみる。
母が自分の海外旅行用に購入して、コロナのせいでお蔵入りになっていたものだ。家で出す練習をしていたので取り出して膨らませるところまでは完璧にできたのだが、、、リクライニングができない!!!
しばらくして、キャビンアテンダントさんが回ってきたところに、
「リクライニングができないんですけど。。。」と恥ずかしながら伝えると、椅子を倒すのを手伝ってくれた。何とか少しくつろぐことができそうだ。
通路側の席で、上に荷物を乗せるか決めかねていた私は、結局大荷物のまま席に座っていたので、隣の席が一つ空いていることは好都合だった。
しかしここに自分の荷物を置いても良いものか、と一瞬考えたが、そうしなければ窓側の席の人がトイレに行けるほどの隙間が作れない。ということで結局隣の席に荷物を置いた。
私はよくトイレに行くので、通路側の席はとても快適だった。私が前の座席についているタッチパネルを不思議そうに見つめていると、隣の席の方は慣れた手つきで画面を操作し、(多分)映画を見だした。
なるほど、そう使うのか。
私もこれに倣って映画を見てみた。
洋画が見たかったのだが字幕の出し方がわからず、内容のわからない映画を見られなかったので、アラジンの実写版を見ることにした。しばらくして機内食がきて食べたが、緊張していたからかほとんど味を覚えていない。
味はそこそこだったと思う。(本当に全くおぼえていない。。。)
食べ終わって0時すぎ、機内は消灯し、私もアラジンの音声と共に眠りに落ちた。